
初来日の外国人レスラーが、どれだけやるかを見るためにシリーズの前半は中堅ところの選手が『試験官』的役割を果たす。
大体は中堅ところを破り、中盤~最終戦に行く度に主力選手と対決していく。

昭和の全日本プロレスではグレート小鹿&大熊元司の『極道コンビ』が,『試験官』役を請け負っていたみたいだ。

伝統あるアジア.タッグに4度就く実力を持っていながら、彼等はジョバーをこなしていた。
その姿を評価する外国人レスラーも多く、特にスタン.ハンセンは自伝で高く評価していた。

中でもハンセンが腕を伸ばした位置が大熊の喉元にピッタリ来るそうだ。
130kg近い大熊をハンセンがウエスタン.ラリアットで吹っ飛ばす事で、その破壊力が観客には十二分に伝わってくる。
『ハンセンの凄さ』『ラリアットの凄さ』を身をもって示してくれるレスラーであった。
また、ブルーザー.ブロディが初来日の際、自分のファイトが日本人に受け入れられるか不安を抱いていたそうだが、初戦で当たった極道コンビは「オレらに任せろ」と言ったそうだ。
この後のブロディの活躍を見ると、極道コンビが上手く引き立ててくれた事が一因に挙げられると言っても過言ではないのだろう。
レスラーは入門した時は皆『メインを張りたい』『チャンピオンになりたい』と心に抱いて練習に試合に励んでいくのだが、途中でレスラー人生の方向転換をしなければならないケースもある。
そんな中でジョバーに回るようになる姿は学生時代は格好悪く見えたものだが、大人になって見直すと自らの役割に徹してくれた極道コンビへの見方を変えたファンは多い。