

りつ(白木万里)が産気付き、てんやわんやの中村家だが、同じような時間帯に勘定奉行の津田が利久尼姿の女性に殺された。
勘定奉行を殺された面子丸潰れの奉行所は躍起になって下手人探しに血眼になる。やがて犯人の姿が尼僧だったと言う事から秀英尼(鮎川いずみ)が捕まってしまう。
主水(藤田まこと)は正八(火野正平)が秀英尼と結ばれるための資金3両を『袖の下』で握らせて牢から出そうとするが、勘定奉行の死によりバタバタとした時期なので認められない。
隙を見て主水は秀英尼を逃がし、正八に運ばせる。
北町奉行.堀田から呼び出された、江戸の殺し屋の総元締.蛭子屋卯兵ェ(山本燐一)は3日以内に下手人を差し出さないと江戸中の殺し屋を捕まえると厳命される。
ただ、差し出す下手人≠実行犯とは限らないのだと言われ、卯兵ェは、おせい(草笛光子)を下手人と仕立てあげる。
納得行かない新次(梅宮辰夫)は車坂の元締に掛け合うが、南町奉行の根来(石橋蓮司)は元締の集会でおせいの部屋に血染めの服があった事を見せるので、車坂の元締も否定できなくなってしまう。
卯兵ェには実行犯を差し出せない事情があった。何故なら真犯人は卯兵ェの愛人.おりん(桜井浩子)であったからだ。
根来は津田を殺した時の切り口がかつての殺し屋.花房町のお蘭の生み出した『糸返し』であり、それを継承したのがおりんだけである事を見抜いていた。
卯兵ェは差し出す訳に行かず、おせいに罪を擦り付けたのである。
卯兵ェは行き長らえられる反面、根来に弱味を握られてしまった…ある意味卯兵ェも毒牙に噛まれた商売人の1人なんですな。

おせいを狙う殺し屋は正八の住む高灯台にも押し掛け殺そうとするが、おせいは殺し屋を倒す。
ついに高灯台も目を付けられ追い詰められた所に秀英尼が自身の寺に匿う。

ここで秀英尼は、おせい達が殺し屋である事を知っていた旨のコメントをする。
主水は手形の手配をするから新次、おせい、正八に江戸を出るように言う。
そんな中で新次は「荷物を取ってくる」と言い出ていくと単身で卯兵ェの乗る船を襲撃。

おりん、卯兵ェを仕留めるが手下との戦いで負傷する。
凄腕の殺し屋にも関わらず、おりんは隙だらけで呆気なく新次に仕留められ、おりんを失った卯兵ェも呆気なく斬られます。
しかし、手下は何人いるんだ…明らかに船に乗ってた人数以上だぜ。

そこに根来が矢を放つと新次の首筋を貫通し新次は絶命してしまう。

裏稼業の人間が殺し合いで果てた事で根来は高笑い。
そこに自身の子供の出産の話をネタに何気無く近付く主水。
上手く行って気が緩んだ根来は主水を飲みに誘うが…それが命取りに。
新次のみならず全ての裏稼業の人間の分を纏めて主水は、根来を斬り更には5回ぶっ刺す。
『闇の世界を知り過ぎた』為に制裁されるのであった。
おせいが駆け付けたが、主水から新次の死を知らされる。
おせいは『仕事屋』の時はパートナーであり実息の政吉(林隆三)が自刃した時は取り乱し後追い自殺しようとしましたが、今回の新次の死には冷静でいました。
たぶん、よりは戻せないと覚悟していたのかも知れませんね。
帰宅する主水だが、物々しい雰囲気。

なんと産まれた赤ん坊が死んでしまったとの事。

それでも、おせいが旅立つ時には「丸々した女の子が産まれた」と嘘を付く。

そして、赤子の葬送に行く主水達。
せんとりつ親子と養子の主水の絡みは殺しのシーンとは無縁の事が殆どなだけに、ラストの葬送のシーンは一噌重く感じます。



